芸能ニューススクラップ帳

　覚せい剤取締法容疑で女優酒井法子容疑者（３８）が逮逮捕されるなど芸能人の相次ぐ薬物による不祥事に、警察庁のトップが強くゲキを飛ばした。警察庁の安藤隆春長官は２０日の会見で「芸能関係者は薬物事犯を一掃するよう、再発防止に真剣に取り組んでもらいたい」と述べた。警察庁長官が特定の業界に対して発言するのは異例のことで「芸能人の薬物事犯は社会に与える影響が大きく、特に青少年への悪影響が懸念される」と強調した。

　この日、警察庁が発表した今年１〜６月の上半期の薬物情勢によると、大麻の密売や所持などの事件で摘発された人数は前年同期比２１・３％増の１４４６人となり、上半期として統計の残っている９１年以降で過去最多となったことが分かった。摘発された人のうち２０代以下が計９１４人で、全体の６３・２％を占め、若者を中心に大麻が広がっている実態があらためて明らかになった。

　芸能界で相次いで発覚した薬物事件で使用されたとされる覚せい剤は１３・１％減の５３８４人、合成麻薬ＭＤＭＡは５５・９％減の５２人だった。摘発された個々のケースを見ると、薬物汚染は芸能界や相撲界などのほか、学生や僧侶まで幅広い層に広がっており、警察庁は「摘発は氷山の一角。さまざまな層にまでまん延している」と指摘している。